さて、今回は…
家族性大腸腺腫症(FAP)
この病気について、みなさんにお話したいと思います!
あなたは家族性大腸腺腫症(FAP)という病気を聞いたことがありますか?
世の中には、いろいろな病気があるけど…
この病気について知っている人は、きっと少ないんじゃないかな…?
あまり知られていないような気がします。
私は20歳の時に、家族性大腸腺腫症(FAP)と診断されました。
この家族性大腸腺腫症(FAP)って、実は大腸だけではなく他の消化器や臓器などに腫瘍性や非腫瘍性の病変が発生することがあります。
例えば…
・胃や十二指腸
・小腸
・甲状腺癌
・骨腫瘍
・デスモイド腫瘍
・脳腫瘍
などなど…
このように大腸以外も病気になりやすいため、何も異常がないか定期的に様々な検査をしなければいけません。
意外と厄介な病気。。
詳しくは、これからお話していきます!
家族性大腸腺腫症(FAP)とは
そもそも…
家族性大腸腺腫症(FAP)
ってどんな病気なのか?
ということで、今回は…
家族性大腸腺腫症(FAP)について、私が勉強したことや経験から、この病気をみんなにもっと知ってもらいたいという気持ちで、今回簡単にまとめてみました!
ここでひとつ…
これからお話することは私が調べたり、勉強、経験した上でのお話なので、間違えているところが多々あるかもしれませんが、ご了承ください!
どんな病気?
家族性大腸腺腫症(FAP)
別名:『家族性大腸ポリポーシス』ともいいます。
familial adenomatous polyposis:FAP
英語にするとこんな感じ。。
難しい。笑
日本人で1万7,400人に1人が家族性大腸腺腫症と推定されている遺伝性の希少疾患です。
本邦における家族性大腸腺腫症(FAP)の患者数は、2021年4月時点で約7,300人。
遺伝性の病気と聞くと、必ずしも子供に遺伝するというイメージがあるかと思いますが…
親が家族性大腸腺腫症(FAP)の病気を持っていても、必ずFAPを持った子供が生まれるというわけではありません。
親から子へ2分の1の確率、つまり50%の確率で、この体質が子供に伝わってしまいます。
家族性大腸腺腫症(FAP)は、一般の大腸癌に比べて若いうちから大腸に腺腫性ポリープができてしまいます。
大腸内視鏡検査で大腸に100個以上のポリープを認められ、ポリープの病理診断で腺腫と診断された場合、家族性大腸腺腫症(FAP)と診断されます。
『大腸ポリープ』とは?
大腸の粘膜層の一部がイボのように隆起してできたもの。
大腸ポリープは、大腸癌・腺腫といった『腫瘍性ポリープ』と炎症性ポリープ・過形成性ポリープ・過誤腫性ポリープといった『非腫瘍性ポリープ』に分類される。
いろいろな形があり、大きさも1mm程度の小さいものから数cmまでと様々。
ポリープは50%のFAP患者で15歳までに、95%のFAP患者で35歳までに認められます。
治療をせずに放置してしまうと…
ポリープはどんどん大きく成長していき、20代のFAP患者で約10%、40代までのFAP患者の約50%が大腸癌を発症してしまいます。
そして、先程も話したように他にも、
・胃や十二指腸
・小腸
・甲状腺癌
・骨腫瘍
・デスモイド腫瘍
・脳腫瘍
などなど。。
あらゆるところに病変が発生することがあります。
『デスモイド腫瘍』とは?
デスモイド腫瘍は、軟部組織にできる良性と悪性の間の中間型腫瘍の1つ。
デスモイド型線維腫症ともいわれる。
手術外傷などに伴い発生することの多い病変。
デスモイドっていう名前、、なんか怖い。。笑
癌とか腫瘍とか…
本当、嫌になっちゃうよね。。
そして…
家族性大腸腺腫症(FAP)は、胃や十二指腸など、大腸以外の癌を発症するリスクも高まります。
・十二指腸(5~11%)
・膵臓(2%)
・甲状腺(2%)
・脳(1%未満で髄芽腫)
・肝臓(5歳未満の小児の0.7%で肝芽腫)
なんと、10歳代での大腸癌の報告もあるみたいです…
症状
多くの場合は、自覚症状はありません。
定期的な健康診断などの便潜血検査で陽性の場合に、精密検査で発見されることが多くあります。
たくさんできたポリープが原因で、下血、腹痛、下痢などが見られる場合がありますが、ポリープそのものは多くは無症状です。
ただし、下血などの症状が出たときには、癌が進行していることも多いので、注意が必要です。
私は健康診断で便潜血検査を受けていなくて、19歳の頃に下血があったため、病院へ行って検査をしたところ、大腸に無数のポリープが発見されて、家族性大腸腺腫症(FAP)と診断されました。
それに、パパも大腸癌だったことから遺伝の可能性が高いとのことで。。
これはもう仕方ないことなんだけどね。
私が20歳の時、初めて内視鏡検査をした時…
「検査するのがあと少しでも遅かったら、大変なことになっていたよ」
と看護師さんから言われたのを覚えています。。
これを聞いた時は、ちょっとゾッとした。。
密生型FAPと非密生型FAP
そして…
家族性大腸腺腫症(FAP)は、大腸にできたポリープの数や密度によって、密生型FAPなのか非密生型FAP、またはAFAPという軽症型の腺腫症のどれかに分類されます。
『密生型FAP』とは?
腺腫性ポリープが大腸の正常粘膜を覆うほど数多く発生する(腺腫性ポリープが1,000個以上)
『非密生型FAP』とは?
腺腫性ポリープが大腸の正常粘膜を覆わない程度で発生する(腺腫性ポリープが100個〜1,000個)
『AFAP』とは?
軽症型の腺腫症。
この場合、大腸に腺腫性ポリープが10〜99個程発生する。
調べた感じだと、こんな感じかな。。
自分の大腸に無数のポリープがあると考えると、ちょっと気持ち悪いけど…
それから『密生型FAP』や『非密生型FAP』に比べて、腺腫性ポリープが少ないとされている『AFAP』。
ですが、『AFAP』と診断された場合でも、内視鏡検査での長期経過観察が必要になります。
診断や治療
大腸内視鏡検査で大腸に100個以上のポリープが認められ、ポリープの病理診断で『腺腫』と診断された場合は、家族歴の有無を問わず、『家族性大腸腺腫症(FAP)』と診断されます。
残念ながら今のところ、ポリープの数を確実に減らす飲み薬や点滴薬、大腸癌の発症を防ぐ薬などは、まだありません。
家族性大腸腺腫症(FAP)と診断されたら、大腸癌が発生する前に大腸全摘手術をすることが推奨されています。
一般的に20歳代前半までに、手術をすることが推奨されているようです。
ですが…
『密生型FAP』は癌化の年齢も早いとされているので、10歳代での予防的大腸切除を行うこともあります。
ちなみに私の場合は、20歳から大腸癌になる22歳の頃までは、大腸全摘手術はしませんでした!
半年ごとに病院に通って内視鏡的粘膜切除術(EMR)という内視鏡治療をしてもらい、大きく成長してしまったポリープを切除してもらうという治療を受けていました。
大腸内視鏡検査によるポリープ切除の治療法は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)以外にも、ポリペクトミーやコールドバイオプシーなどがあります。
このことに関しては、また今度みなさんにお話しできたらいいなと思っています!
私は20歳の頃から約2年半の間、消化器内科で内視鏡的粘膜切除術(EMR)による治療を受けていましたが、22歳の時に切除したポリープの病理組織診断で『悪性』と診断されてしまい、大腸全摘手術を受けました。
当時の主治医から、1個でも悪性のポリープができてしまうと、これから先も悪性のポリープが発生しやすいとのことでした。。
ここでひとつ。
大腸癌になってしまったからといって、みんなが大腸を全摘するというわけではありません!
逆に大腸癌になっても、大腸を全摘する人の方が少ないように感じます。
同じ大腸癌でも、手術で部分切除(直腸だけ、S状結腸だけ、など)だったり抗がん剤治療をしなければいけなかったり、、
私みたいに大腸を全摘しなければいけなかったり、治療法は様々です。
ということで、今回はここまで!!
最後に…
今回は…
家族性大腸腺腫症(FAP)
について、みなさんにお話しました。
専門用語も多くて、ちょっと分かりづらかったかな…?
それでは、次回もお楽しみに!!
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本当にありがとうございました。