今回は…
私の闘病日記vol.7
『HCU病棟から一般病棟へ』
をみなさんにお話ししたいと思います。
前回のお話の続きになります!
前回のお話を読んでいない方は、下に貼っておくので、ぜひこちらから読んでくださいね!
私の闘病日記vol.6
『腹腔鏡下大腸全摘手術・回腸人工肛門造設術』

ぜひ、読んでね〜!
そして。
私と同じ病気で悩んでいる方。
または。
大切な家族に私と同じ病気にかかってしまった方に向けて、少しでも勇気になればと思っています。
私みたいに『体』に問題を抱えてる人、それに体は元気だけど『心』に何かを抱えてる人。
いろいろな人がいるけれど、
『生きてる』ってことは、本当にラッキーなんだよ。
そんな当たり前なことに今回、あなたが気づいてくれたら嬉しいです。
私の闘病日記
では、ここからは、
私の闘病日記vol.7
『HCU病棟から一般病棟へ』
をお話していきたいと思います。
それでは!
手術翌日の朝
2019年2月5日。
手術翌日。
朝になって、目が覚める。
すると…
もう外も明るくなっていて、病室の電気が眩しかった。
HCU病棟の朝は、少し賑やかだった。
病室の大きな自動ドアも開いていて、夜よりも開放的になっていた。
この日は、やっとHCU病棟から一般病棟に戻れる日。
つまり…
また例のおばあちゃんがいる、あの病室に戻るということだ。
(HCUから出れるのは嬉しいけど、またあのおばあちゃん…)
できればもう会いたくない。。
すると…
看護師さんが病室にやってきた。
ベッドを少し起こして、体を拭いてもらった。
なんでもやってもらわないと、自分では何もできない。
体を拭くことさえ…
嫌になるね。。本当に。。
看護師さんと世代が同じということもあって、話題はジャニーズの『嵐』の話になった。
ちょうど数週間前に、嵐が活動休止するとニュースでやっていた。
「嵐の中だったら誰が好き?」
「何の曲が1番好き?」
などなど。。
看護師さんといろいろ話をして、少し気が紛れた。
すると…
「もう少ししたら歩くから、靴下(弾性ストッキング)脱いでおこうか」
と看護師さんが言った。
弾性ストッキングを脱いだだけで、ものすごく解放された気分になった。
履いていると、もう窮屈すぎて。。笑
そして…
少し時間が経つと、
レントゲンを撮るため、大きな機械を連れた検査技師の人が病室に入ってきた。
寝た状態のまま、レントゲンを撮ることができるらしい。
背中に鉄の硬い板のようなものを入れて、体の位置確認などをする。
体を動かす度に激痛が走って、とにかく痛くて大変だった。
何回か撮影を繰り返して、無事にレントゲンは終わった。
(痛い、痛い…こんな痛いのに歩けるのかな…)
レントゲンが終わって休んでいると、外科の先生達が病室に入ってきた。
その中には主治医もいて、知っている先生や知らない先生もたくさんいた。
相変わらずチャラ男先生はチャラチャラしていて、前の方にズカズカと入ってきた。
主治医とスキンヘッド先生は、何かお話をしている。
(顔も髪もグチャグチャだから、誰も来ないでほしい…)
今の自分の状態のひどさは、鏡を見ないでもなんとなくわかる。
私以外、誰もそんなこと気にしていないけど…
先生達は、手術の傷やストマの確認をしたり、管の状態をチェックしていた。
数分後、先生達は病室の外へぞろぞろと出ていった。
当たり前なことができない辛さ
「病室から少し出て、早速歩いてみよう」
と看護師さんが言ってきた。
(よし!何があっても、絶対に歩いてやる…!)
看護師さんに支えられながら、背中を起こしてみる。
すると…
頭から血の気が一気に引いていった。
(ただ背中を起こしただけなのに…目の前がグラグラする…)
やっぱりそう簡単にはいかないみたいで。。
体がすごく重い。
貧血みたいになって、そのまま倒れそうになった。
このままじゃヤバイ、と思って
一旦、また横になって休む。
そして…
また背中を起こす。
やっとのことで、ベッドの脇に足を出して座ることができた。
今すぐにでも倒れそうだった。
(こんなに辛いなんて…自分が自分じゃないみたい…)
だるさと吐き気を必死に抑えながら、ベッドの柵に手をかける。
信じられないくらい、力が全く出ない。
こんなに思うように動けないのは、人生で初めてだった。
いつも簡単にできていたことが、何ひとつできない。
看護師さんに支えられながら、点滴スタンドに手をかけて、手に力を入れる。
そして…
グッと足に力を入れて、その場で立ってみる。
立っているだけでも、まるで地震が起きているかのように、目の前がグラついた。
手術した傷も痛くて、なかなかその場から動くことができなかった。
看護師さんが車椅子を持ってきた。
「辛かったら座ってね」
と言ってくれた。
立っただけでも、ものすごく辛くて倒れそうだったから、一旦車椅子に移動して座ることにした。
車椅子に乗るのは初めてだった。
(まさか22歳で、車椅子に乗るなんて想像していなかった…)
でも、早く良くなるためには、座ってばかりじゃダメだと思った。
もう一度、歩こうと決意した。
点滴スタンドに捕まり、看護師さんにしっかり支えてもらって、一歩ずつ前に進んでみる。
重力で傷口が下にグーッと引っ張られているかのようで、すごく痛い。
(痛すぎる…吐きそうだし、体がだるすぎるし…)
なかなかスムーズに前に進めなかった。
傷口が痛すぎて、前屈みになってしまう。
まるで腰をやってしまった、おばあちゃんのような歩き方に。。
それでも…
頑張って一歩ずつ前に進んでいく。
自動ドアを抜けて、やっと自分の病室から出ることができた。
(ほんのちょっとの距離だけなのに、こんなに時間がかかるなんて…)
手術前にHCU病棟を見に来たけど、その時とは風景が全然違うように思えた。
HCU病棟のナースステーションには…
HCU病棟の患者の様子が映されている映像モニターと、心電図が映されているモニターがあった。
自分の病室から出ると、数多くの看護師さんが忙しそうにしていた。
そして…
車椅子に座っている患者さん、自分と同じように頑張って歩いている患者さんが数人いた。
(私以外にも、HCUで入院している人はこんなにいたんだ…)
廊下を少しずつ歩いていく。
すると…
HCU病棟のベテラン看護師さんが近づいてきた。
「頑張っているね!ちゃんと歩けてるじゃん!」
と言ってくれた。
(嬉しいぃぃ…痛いけど頑張ろう…)
怖そうな雰囲気の看護師さんだな、と最初は思ったけど、すごく優しい人だった。
傷口がずっしりと痛む。
途中で何回か立ち止まったりしたけど、結構歩くことができた。
廊下を1往復してから、再び自分の病室へ戻った。
病室に戻ってきたはいいものの、ベッドに横になるのも一苦労だった。
まだまだ看護師さんがいないと、1人では何もできない。
だけど…
(とりあえず結構歩けてよかった〜)
ホッと一安心。。
HCU病棟から一般病棟へ
そして…
ついに、一般病棟へ移動する時間になった。
一般病棟に戻るということは、
またあの例のおばあちゃんがいる病室に戻る、ということを意味していた。
HCU病棟から出られる喜びから一転、最悪な気分に。。
(はぁ…勝手にカーテン開けてくるし、あの病室には戻りたくない…)
ちょっと急だけど、病室が移動になりました!!
とか言われないかなぁ…
自然とため息が出る。。
看護師さんが車椅子を用意してくれて、またベッドから車椅子へと移動する。
少しの移動でも一苦労。。
点滴スタンドやベッドの柵など、どこかに捕まらないと、自力で起きることも立つこともできない。
無事に車椅子に移動して、看護師さんに後ろから押してもらう。
HCU病棟を出るとき、数人の看護師さんから
「頑張ってね!」
「またね!」
と声をかけてくれた。
優しい看護師さんがたくさんいて、少し心が救われた気がした。
HCU病棟を出ると…
外の空気が懐かしく感じた。
風が漏れているのか、空気が涼しくてちょっと寒いくらいだった。
膝にかけていた毛布をもう1度掛け直して、少しでも暖かいように中に手を入れた。
(早く病棟につかないかな…)
一般病棟に戻る道中、何回か車椅子がガタガタ揺れた。
看護師さんに、
「揺れると痛いだろうけど、少し我慢してね」
と言われたけど、振動で痛みはそんなに感じなかった。
でも…
体がだるすぎて、早くベッドで横になりたかった。
病棟までの道のりは、暗くて静かで、何だか寂しい雰囲気だった。
いかにも心霊番組で出てきそうな、霊が出そうな気味の悪い感じ。
車椅子で、ガタガタ揺られながら進んでいくと、やっと一般病棟に着いた。
一般病棟に到着
一般病棟に着くと、見覚えのある景色が目の前に現れた。
何だかちょっと懐かしい感じ。笑
(病室、移動になってないかな…)
(移動になったとしても、また窓側がいいな…)
(早く痛み無くなってほしいな…)
移動中、頭の中でいろいろ考えた。
そして…
結局、今までと病室は変わらず、またあのおばあちゃんのいる病室に戻ってきてしまった。
そうなると思った。。
(おばあちゃんとまた同じ病室…先が思いやられる)
早速、病室からおばあちゃんの話し声が聞こえてくる。
(おばあちゃんも手術してるから、痛みもあるだろうし、さすがにこっちに来るなんてことはないよね…)
そのまま、車椅子からベッドへ移動する。
痛すぎて、思うように動けない。
着ているガウンもずれるし、管や点滴をなるべく動かさないように慎重に持ち上げる。
看護師さんに手伝ってもらいながら、何とか体をベッドに移動する。
ベッドに横になるだけで、ものすごく体力を使った感じがした。
「時間が経ったら、また一緒に病棟を歩こう」
と看護師さんから言われた。
それまで、しばらく休むことにした。
窓の外を見たり、スマホを見て時間をつぶす。
手術前からスマホを見ていなかったから、Twitterもインスタも見るのが久しぶりに感じた。
SNSを見ると…
みんな友達と遊んだとかショッピングしたとか、結婚したとか…
そんな投稿ばかり並んでいた。
(いいなぁ…みんな楽しそう…)
同世代の子たちが羨ましく感じる。
みんな健康的で、楽しそうで。。
どうして私はこんな…
って考え始めると、何だか泣きそうになったから、これ以上SNSを見るのをやめた。
先生から、手術後5日経たないと水も飲んじゃダメと言われていた。
何も飲めないし、もちろん何も食べることができない。
外の景色を見ながら、
(退院して家に帰ったら、何食べよう…)
(とにかく早く家に帰りたい…)
といろいろ考えた。
今は、管は3つ付いているし点滴もある。
(お風呂も、いつになったら入れるんだろう…)
暇で暇でしょうがなかった。
病棟内散歩
病室でぼーっと過ごしていると、
看護師さんがきて、病棟内をお散歩することになった。
また看護師さんに手伝ってもらいながら、重い体を起こす。
(痛い…この痛みはいつになったらマシになるんだろう…)
管や点滴が、絡まないように慎重に持ちながら、一旦ベッドの脇に座る。
少し休んでから、思い切って立ち上がる。
すると…
血の気が一気に引いていって、倒れそうになった。
痛いし、クラクラする。
我慢。我慢。。
これから歩くというのに、ここで諦めたらダメだ…
って自分に言い聞かせて。
点滴スタンドに管などを巻き付けて、床に引きずらないように看護師さんが整えてくれる。
もう一刻も早く歩かないと、その場に倒れそうだった。
立ったばかりなのに、もうベッドに横になりたいくらい辛かった。
(がんばれ、私…まだまだこれから…)
必死に一歩一歩進んで、まずは病室から出る。
点滴スタンドにしがみつきながら、おばあちゃんみたいに前屈みになりながらも、
看護師さんと一緒に、少しずつ前に進んでいく。
体がだるい。
吐き気。
倒れそう…
(もう限界、、かも…もっと歩きたかったけど無理…)
看護師さんに、
「病室に戻りたい…」
と伝えると、来た道をUターンすることに。
早く病室戻りたくても、なかなか前に進まない。
たった数メートルですら、辛くて辛くて…
看護師さんと一緒にゆっくり進んで、やっと病室に戻ってきた。
ベッドの脇に座って、管や点滴が絡まないように点滴スタンドから順番にとっていく。
やっとベッドに横になることができて、ホッと安心した。。
歩くだけなのに…
そんなことすらできないなんて、、
レントゲン後の待ちぼうけ
2019年2月6日。
手術から2日後。
この日は、レントゲンを撮りに行くことになっていた。
看護師さんに手伝ってもらいながら、ベッドから車椅子に移動する。
傷がズキズキ痛む。。
まだ自分の体から、管がたくさん繋がれていることに全く慣れない。
起き上がるごと、車椅子に移動するごとに、いちいち休憩しないと体がもたない。
そのまま看護師さんに、車椅子を押してもらって病棟を出る。
すると…
病棟から一歩出ると、すごく寒く感じた。
(寒っ!冬だから、外が寒いのは当たり前か…)
車椅子に乗っていると、周りの人の背がすごく高く感じた。
普段、車椅子に乗ることがないから、今まで気づかなかった。
そして…
レントゲン室の前に着いた。
一旦、看護師さんとはここでお別れ。
終わったら、レントゲン室の人が病棟に連絡して、また迎えにきてくれるらしい。
少し待っていると…
レントゲン室から出てきた検査技師の人に名前を呼ばれた。
立ったまま撮るレントゲンと、寝たまま撮るレントゲンがあると説明があった。
(横になるのすごい大変なんだけど…)
そう思ったけど、仕方ない。
立ったままのレントゲンは、なんとかスムーズに終えることができた。
横になるレントゲンでは、検査技師の人に手伝ってもらって、管や点滴に気をつけながら横になる。
(もう…痛いし、めんどくさい…)
横になるときも起き上がるときも腹筋を使うから、すごく痛かった。
レントゲンが終わって、待合室で看護師さんが迎えに来てくれるのを待つ。
でも…
時間がたっても、看護師さんは一向に迎えに来てくれない。
病棟と比べて、外来フロアは結構寒かった。
(痛い、、寒い、、痛い、、寒い…)
膝にかかっているタオルのような膝掛けで、何とか寒さを凌いだ。
周りには、さっきまで入院している車椅子の患者さんたちがたくさんいたのに、
どんどんみんな看護師さんが迎えにきて、次々と病棟へ帰っていく。。
え…
まさかこのまま、誰も迎えに来てくれない…とか。。
検査技師の人も、レントゲン室から出てこないし…
誰かに聞きたいけど、周りには誰もいないし、、
どうすればいいのやら。。
(何で誰も迎えに来てくれないの…)
(ちゃんと病棟に連絡してくれたのかな…)
頭の中で、愚痴が次から次へと出てくる。
待ちぼうけ。。
すると…
遠くの方から、看護師さんがこっちに向かって歩いてくる。
(やっと来た…もう寒いし、痛いし、、最悪…)
看護師さんに車椅子を押されながら、病棟につながるエレベーターに乗る。
病棟に着いて、やっとベッドに横になることができた。
ということで、今回はここまで!!
最後に…
今回は、
私の闘病日記vol.7
『HCU病棟から一般病棟へ』
をみなさんにお話しました。
いかがでしたか?
次回は、今回の続きをみなさんにお話していきたいと思っています!
↓↓こちらから続きが読めます↓↓

ぜひ、読んでね!!
最後までお読み頂き
本当にありがとうございました。