今回は…
私の闘病日記vol.13
『膵SPN(充実性偽乳頭状腫瘍)
診断』
をみなさんにお話ししたいと思います。
前回のお話を読んでいない方はこちらから
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
私の闘病日記vol.12
『超音波内視鏡下穿刺吸引法
(EUS-FNA)』

そして。
私と同じ病気で悩んでいる方。
または。
大切な家族に私と同じ病気に
かかってしまった方に向けて、
少しでも勇気になればと思っています。
そして。
私みたいに病気ではなくても、
人生を生きていれば、誰もが
悩みを抱えて生きていますよね。
仕事で抱えるストレスに、
人間関係のトラブル。
将来に不安を抱える人や、
お金で困って毎日の生活が息苦しくて…
中には『自殺』を
してしまう人だっています。
何か、もう、
消えてしまいたくなる気持ち。
私もそういう感情になった時あったので、
少し分かる気がします。
でもね…
正直に言えば!!
もしも今のあなたの体に
何も病気がなくて、元気な状態であれば…
私は、
あなたが『羨ましい』です。
だって…
私は22歳の時、大腸を手術で
全部『摘出』してしまったので、
日常生活でも不便なことが多い。
病気がなくて健康な人は、
いいなぁ…
と思うことも多いです。
でも!
人の悩みに、
大きいも小さいもない。
そんな風にも思います。
私みたいに『体』に問題を抱えてる人、
それに体は元気だけど『心』に
何かを抱えてる人。
いろいろな人がいるけれど、
『生きてる』ってことは、
本当にラッキーなんだよ。
そんな当たり前なことに今回、
あなたが気づいてくれたら嬉しいです。
私の闘病日記
では、ここからは、
私の闘病日記vol.13
『膵SPN(充実性偽乳頭状腫瘍)
診断』
をお話していきたいと思います。
強烈な頭痛と吐き気
「……さん」
「櫻根さん…」
遠くの方から、誰かが私の名前を呼んでいる。
あれ……
もう検査終わったんだ…
まだ完全に鎮静剤が切れていなかったため、とにかく眠くて眠くて。。
目を開けられるような状態ではなかった。
名前を呼ばれる中、何とか呼びかけに反応しようと思っても、なかなか声も出せず…
そのまま、また眠ってしまった。
…
それからどれくらい時間が経っただろう。。
パッと目が覚めた時には、病室のベッドの上で横になっていた。
いつの間にか病棟に戻ってきてたんだ…
検査室から病棟まで移動している時のことは、全くと言っていいほど覚えていない。
横を向くと、ママと兄ちゃんが椅子に座って私を見ていた。
そんな、、
心配そうな顔で見ないで…
私、大丈夫だからさ。。
…
それからまたさらに寝てしまって。。
次に目が覚めた時にはもう鎮静剤が完全に切れて、はっきりと目が覚めてきた。
窓の外を見ると、空がオレンジ色に染まっていた。
もう夕方……!?
早い。。
私、、結構寝ちゃったんだ。。
でも無事に検査が終わったみたいでよかった。
安心し、、た…
すると、次の瞬間…!
やばい……!!!
急に激しい『頭痛』と『吐き気』が襲ってきた。
すごい頭痛いし、吐きそう…
なんで、、もしかして鎮静剤を使ったせい…?
そんなことってある…?
でも…
いつも毎回、大腸内視鏡検査の時も胃カメラの時も鎮静剤を使っていたけど、こんなに頭痛や吐き気がしたことは、今まで一度もなかった。
それか、、
もしかしたら、いつもより使った鎮静剤の量が多かったのかもしれない。
鎮静剤の量が増えると副作用みたいな、そういうのがあるのかはわからないけど。。
うん、、きっとそうに違いない。
時間が経てば
良くなるよね……
とにかく今は、頭痛と吐き気が治るまで耐えるしかない。
でも…
それにしても頭が痛い。
痛すぎる。
吐き気もひどくて、今すぐにでも吐きそう。
もういっそのこと、吐いちゃった方が楽になれるかな…
そこで、様子を見にきた看護師さんに、
「頭痛と吐き気がつらくて…」
と相談すると、
「頭痛薬、飲めるなら持ってくるけど…」
と看護師さんは言った。
たしかに、吐き気がひどいから薬なんて飲めない…
私がどうしようか悩んでいると、
「じゃあとりあえず、吐き気止めの注射を持ってきますね〜」
そう看護師さんは言って、病室をあとにした。
早く、、
早く持ってきて……
すると…
この時、自分でも自分のことがよくわからなかったんだけど、ベッドの両脇についている柵が突然窮屈に感じるようになって、蹴り飛ばしたくなる衝動に駆られた。
じっとしていられないというか、急に暴れたくなったというか。。
何だか狭いところに、ずっと閉じ込められているような感覚だった。
自分でも本当よくわかんない。
もう、、つらいよょょ…
こんなの私、耐えられない…
どんどん頭痛も吐き気もひどくなっていく。
それから約10分後。
看護師さんが病室に戻ってきた。
「お待たせしました〜」
「吐き気止めの注射を入れていきますね…」
と言って、点滴部分から吐き気止めを入れてもらった。
早く効きますように……
そう祈りながら、しばらくの間、耐えて耐えて耐え続ける。
寝ようと思ったけど、さっき鎮静剤でたくさん寝ちゃったから、もうこれ以上は、、
さすがに無理。。
目を瞑って吐き気止めが効くまで、ただひたすら待つ。
それから約30分後。
…
もうさ、、
私の体、どうなってるの…?
全然良くならない……!!
吐き気止め効くなら、もうすでに効いているはずなんだけど、、
いくら待っていても、ずっと気持ち悪いまま。。
しかも注射だから、即効性もあると思ったんだけど。。
効いている実感が全くない。
何だか息苦しくて、落ち着かなくて、、
とてつもなく泣きたくなった。
もう、、
どうしてこうなるの……!?
すると…
「櫻根さんっ」
カーテン越しから声が聞こえた。
この声は…
カーテンが開くと、そこには主治医が立っていた。
先生、、来てくれたんだ……
でも頭痛と吐き気がつらすぎて、まともに話すことができなかった。
あまりにも苦しくて、何だか悔しくて、、
つい主治医のことを睨んでしまった。
こんなことになるなんて、聞いてないよ……
そこで立っていないで、なんとかしてよ……
今となっては、本当申し訳ないことをしたなって。。
先生は悪くないのにね…
どうして、こんなに頭痛や吐き気がするのか。
何でこんなにつらいのか。
もう訳がわからない。。
検査自体は鎮静剤が効いていたから『痛い』とか『苦しい』とかは何も感じなかった。
だけど、とにかく検査後がつらすぎて。。
完全、想定外。
鎮静剤の副作用なのか、原因不明の強烈な頭痛と吐き気…
誰か助けて……
なんだか意識が遠のいていくような、そうでもないような。。
気付いたら眠っていた。
検査入院からの解放
2019年1月9日。
検査入院最終日。
朝6時。
病室の電気がパッとついて、目の前が急に眩しくなる。
「櫻根さん、おはようございます〜」
と看護師さんは言いながら、病室の中に入ってきた。
昨日の頭痛と吐き気に関しては…
治った……!!
あんなにつらかったのに。
寝たらいつも通りの元気な状態に戻っていた。
あれはなんだったんだろう…
何が原因…?
それは未だにわかっていません。。
すると、看護師さんは、
「では、これから採血していきますね〜」
と言って、採血の準備を始めた。
待って、待って、待って……
寝起きに採血……!?
今、起きたばかりなんだけど。。
いや、、もうぅぅ…
本当、勘弁して。。笑
すると看護師さんは続けて、
「今回の採血の結果によって、退院できるかどうか決まるからね〜」
と言った。
なるほど…
これでもし退院できなかったら、、
悲しいを通り越して、私もう泣くよ。。笑
看護師さんは私の腕に駆血帯を巻いて、どこにルートを取るか決めていく。
そして…
「ちょっとチクッとしますよ〜…」
と言って、針がスッと入った。
こんな朝早くに採血したの人生で初めて。。笑
そのまま無事に採血が終わり、看護師さんは病室をあとにした。
採血の結果が出るまで、ひたすら待つ。。
無事に
退院できますように……!!
そう願いながら。。
…
そして、採血をしてから数時間後。
「櫻根さん〜」
と聞こえたと同時に、カーテンがサーッと開いた。
昨日、検査をしてくれた消化器内科の先生が病室に入ってきた。
やっぱり、、
ちょっと苦手な先生。。笑
すると先生は、
「採血の結果は何も問題なかったので、予定通り今日退院しましょうね〜」
「ちょっと炎症はあるみたいだけど、そこまで気にするほどではないから大丈夫ですよ」
と言って、採血の結果が書かれた紙を受け取った。
『CRP』の数値が少し高めだったけど。。
でもとりあえずよかった…
本当によかった。。
それからは朝ご飯を食べて、急いで退院の準備をして病院を出た。
ということで…
無事、退院しました!!
久しぶりに感じる外の空気。
やっと外に出られた…
外の世界、、最高……!!
まるでさっきまで違う世界にいたような。。
入院したの、たった2泊3日だけなのにね。
感覚的にいうと、1年くらい入院していたような。。
それは言い過ぎかもしれないけど。笑
外に出ると、何もかも久しぶりに感じた。
街並みも電車も、家も。
とにかく無事に退院できて、ホッと安心した。
あとは膵腫瘍の検査結果。。
悪い結果じゃないといいな…
そう祈りながら、検査結果の日まで過ごした。
膵臓の白い影の正体
検査結果前日の夜。
プルプルプルプル……
スマホに着信があって、画面を見ると『◯◯病院』と表示されていた。
あれ、、
病院から電話……?
「はい……」
と出ると、電話の相手は主治医だった。
内容は、この前受けたEUS(超音波内視鏡)の結果についてだった。
検査の結果…
『癌』ではなかった。
ただ、今回膵臓の腫瘍は悪性ではなかったけど、、
『良くも悪くもない腫瘍』
とのことだった。
どうやら膵臓にあるその腫瘍は、転移する可能性があるらしく、手術で切除した方がいいとのことだった。
結局、手術。。
私って、、どうしていつもこうなんだろう…
結果、癌ではなかった。
だけど…
複雑な気持ちでいっぱいになった。
癌ではなかったんだから、喜ぶべきなのかもしれない。
これも不幸中の幸い……?
そんな、、幸いだなんて。。
思えるわけない。
しかも、今のところ何も自覚症状ないし。
本当に膵臓に腫瘍なんかあるの…?
腫瘍があることも信じられないし、納得がいかなかった。
膵SPN(充実性偽乳頭状腫瘍)診断
検査結果当日。
ママと一緒に診察室に入ると…
検査をしてくれた消化器内科の先生が座っていた。
検査の結果…
膵臓の腫瘍は、、
『膵SPN』
(充実性偽乳頭状腫瘍)
比較的稀な病気で女性に多く、20〜30代に好発。
悪性度は低いものの転移することがあるため、完全切除が推奨される。
そう先生から説明を受けた。
なんで、私が
そんな稀な病気になるの…
自分で自分が嫌になる。
続けて先生は、
「櫻根さんの場合、この膵腫瘍が膵頭部にあって、大きさは約1cm程の小さい腫瘍で…」
一緒に画像を見ながら、わかりやすく説明してくれた。
とりあえずこれからの手術日程に関しては、主治医から聞くことになり、診察は無事終了した。
診察室から出ると、ママが涙目になっていた。
やばい、、
何か言わなきゃ……
そう思ってママに、
「あっ……でもさ…!!」
「悪いものじゃないみたいだから、本当よかったよね!」
と言った。
すると、ママは少し笑顔になった。
よかった……
もう頑張るしかない。
今更、逃げられない。
FAP、大腸癌、膵SPN
これは何かの罰……?
主治医の診察
主治医の診察の日。
この日までに、残っていたPET検査も受けて、、
ついに!!
手術前に受けなきゃいけない検査が一通り全部終わった。
主治医が言うには、全ての検査で異常が発見されたのは造影CTのみ。
それ以外の検査の結果は、何も問題ないとのことだった。
そして…
主治医から、これからの入院について説明を受けた。
入院と手術は、2回に分けて行うことになった。
【1回目の入院】
・腹腔鏡下大腸全摘術
・回腸人工肛門造設術
【2回目の入院】
・回腸人工肛門閉鎖術
・膵腫瘍核出術
切除した大腸ポリープが悪性と診断された時は、2回も手術することになるなんて思ってもいなかった。
膵臓に腫瘍が見つからなかったとしても、人工肛門閉鎖の手術があるから、結局2回手術することには変わりないんだけど。。
ただ…
今回大腸の手術だけだったら腹腔鏡で傷が小さく済んだのに、膵臓に関しては開腹手術だから、結構傷も大きく残りそうで。。
仕方ないのはわかっているんだけどね…
すでに決まってしまったことだから、自分にはもうどうしようもできない。
やるせない気持ち
主治医の診察が終わったあと、入院センターへ行って入院の予約を済ませた。
手術を受ける実感が全く湧かないまま、そのまま帰宅。
22年間共に生きてきた大腸と、もうすぐお別れ。
自分の体から
大腸が無くなるなんて、、
未だに信じられない。
だけど、そろそろ現実を受け入れないと。。
そういう焦りと不安でいっぱいいっぱいになって、精神的につらい日々が続き…
ここ数年で、いろいろなことがあったなぁ、、なんて。
今までのことを思い返すことが多くなった。
初めてトイレで血便を見た時。
『家族性大腸腺腫症(FAP)』と診断された時。
一生付き合っていかなきゃいけない病気と言われた時。
『大腸癌』と診断された時。
入院して、手術しなきゃいけないと言われた時。
膵臓に白い影があると言われた時。
『膵SPN』と診断された時。
…
毎回そう言われる度に、やっぱりショックだった。
家族にも、たくさん悲しい思いをさせた。
信じられない気持ちと、信じたくない気持ち。
本当は自分が『病気』や『癌』であることを受け入れたくないけど、もう前を向いて頑張るしかない。
でも…
頑張るって、、
なにを頑張ればいいの……?
もう正直、なにを頑張ったらいいのか。。
わからない……
今まで自分の病気のこと、軽く考えすぎていたのかもしれない。
ということで、今回はここまで!!
最後に…
今回は、
私の闘病日記vol.13
『膵SPN(充実性偽乳頭状腫瘍)
診断』
をみなさんにお話しました。
いかがでしたか?
次回は、今回の続きをみなさんにお話していきたいと思っています!
↓↓こちらから続きが読めます↓↓

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