今回は…
私の闘病日記vol.16
『ニフレックとの激闘』
をみなさんにお話ししたいと思います。
前回のお話を読んでいない方はこちらから
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そして。
私と同じ病気で悩んでいる方。
または。
大切な家族に私と同じ病気に
かかってしまった方に向けて、
少しでも勇気になればと思っています。
そして。
私みたいに病気ではなくても、
人生を生きていれば、誰もが
悩みを抱えて生きていますよね。
仕事で抱えるストレスに、
人間関係のトラブル。
将来に不安を抱える人や、
お金で困って毎日の生活が息苦しくて…
中には『自殺』を
してしまう人だっています。
何か、もう、
消えてしまいたくなる気持ち。
私もそういう感情になった時あったので、
少し分かる気がします。
でもね…
正直に言えば！！
もしも今のあなたの体に何も病気がなくて、
元気な状態であれば…
私は、
あなたが『羨ましい』です。
だって…
私は22歳の時、大腸を手術で
全部『摘出』してしまったので、
日常生活でも不便なことが多い。
病気がなくて健康な人は、
いいなぁ…
と思うことも多いです。
でも！
人の悩みに、
大きいも小さいもない。
そんな風にも思います。
私みたいに『体』に問題を抱えてる人、
それに体は元気だけど『心』に
何かを抱えてる人。
いろいろな人がいるけれど、
『生きてる』ってことは、
本当にラッキーなんだよ。
そんな当たり前なことに今回、
あなたが気づいてくれたら嬉しいです。
私の闘病日記
では、ここからは、
私の闘病日記vol.16
『ニフレックとの激闘』
をお話していきたいと思います。
初めてのニフレック
2019年2月3日。
入院3日目。
手術前日。
ついに、ニフレックを飲まなきゃいけない日を迎えた。
初めてのニフレック。
本当、不安でしかない。。
病棟が朝ご飯の時間になっても、私に出る朝ご飯はもちろんなく。。
そして、朝10時になった。
「櫻根さん〜」
と声が聞こえたあと、カーテンがサーッと開いた。
看護師さんは病室の中に入って、2リットルのニフレックを机の上に置いた。
すでに粉は水に溶かされていて、重みたっぷりのニフレック。。
相変わらず2リットルは重い……
朝の10時から約2〜3時間かけて、2リットル全部飲まなきゃいけないことになっている。
この量を全て飲むのは、まさに至難の業。。
めちゃくちゃ苦痛……
そして、今回に限っては、、
初ニフレック。
どんな味なのかな……
不味かったらどうしよう……
いや、、
絶対不味いに決まってるよね。。
もうこうなったら、、
全力を尽くす……！！
ｺﾎﾟｺﾎﾟｺﾎﾟｺﾎﾟ……
家から持ってきたコップに、ニフレックを満タンに注ぐ。
緊張の一瞬。。
いざ、一口目……！！
ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ……
飲んでみると、、
たしかに匂いは『レモン』
味は『ゴム』っぽい感じ。
兄ちゃんが言っていた通り…
というか事前に兄ちゃんからそう言われていたから、こう感じるだけなのかもしれないけど。。
まぁ、、でも。。
最悪な味わいであることに変わりはない。
もうね、下剤が不味いということは予想通りというか。。
なんかこうニフレックって、レモン水みたいな感じだったらいいのにね。。
そしたら格段に飲みやすくなると思うんだけど…
味の改良してほしい。。
そこで…
ニフレックを全部飲み切るために、自分の好きな飲み物を頭の中でイメージしながら飲もうと試みた。
でも、、
やっぱり無理……
さらに”医療用の飲み物”と思うと、だんだん飲む気失せてきて。。
体が下剤を受け付けなくなっていく。
まさに最悪な状況に陥った。
幸先悪い予感がする。。
そもそも2時間で2リットル飲める人はすごいよ、、
どうしたらそんな飲めようになるの…？
もはや気合い…？
じゃあ、、私は気合いが足りないってことか…
いやいや、、
まだまだこれから…！！
悔しい思いを封印しながら、ゴクゴクとニフレックを飲み進めていく。
頑張るしかない。
だって、これで2リットルの下剤を飲むのは人生で最後。
最後くらい全部飲んで、達成感あふれる気持ちで今日を終えたい。
そう…
なんとしてでも、
全部飲むんだ……！！
それから無になって、2リットルの下剤を飲み進めていき。。
コップの中身がなくなったら、下剤を注いで、また飲んで、、
これを何回か繰り返した。
…
もう、、
これ以上は、
ヤバイかもしれない……
飲んでいくにつれて、だんだん苦しくなってくる。
すると…
「櫻根さん〜」
と声がしたあと、カーテンがサーッと開いた。
看護師さんが、下剤の進捗状況を確認しに病室にやって来た。
「2リットル、、全然飲めなくて…」
と相談してみると、看護師さんは、
「トイレで透明になるまで、飲まなきゃいけないからね…」
「頑張って……！！」
と言った。。
うん、わかってる…
そんなの知ってる、当たり前。。
もう、、しんどい……
ﾔﾊﾞｲ、ﾔﾊﾞｲ……
まじでヤバイ！！
しかも看護師さん曰く、、
どうやら飲むのに時間を使い過ぎると、どんどん下剤の効き目がなくなってしまうらしい。
つまり…
チビチビ飲んで時間だけが経ってしまうと下剤の効き目はなくなり、いつまでたっても便は透明にはならない、ということ。。
そうなると、、
手術できなくなってしまう…
それだけは、絶対に避けたい……！！
入院もして、嫌いな下剤も飲んでいるのに、、
もう今更、後戻りなんてできないし、手術ができなくなるのは絶対に嫌。。
途中で便の状態が透明になれば、2リットル全て飲まなくてもいいって言われたけど、、
それは、”透明になれば”の話…
今の私の状態では、まだまだ程遠い。。
もう、、
2リットルの下剤、
この世から消えてほしい。。
でも悩んでいる場合じゃない。
ただただ飲むしかない。
ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ……
少しづつ自分のペースでニフレックを飲み進めていく。
主治医からのアドバイス
地道にニフレックを飲み進めていると…
「櫻根さんっ」
とカーテン越しから声が聞こえた。
あっ……
先生来た……
カーテンが開くと、主治医が病室に入ってきた。
下剤の進捗状況を見に来てくれたみたいで。。
「もう飲むの、、つらくて…」
と相談すると、主治医がアドバイスしてくれた。
「アメ舐めながら飲むといいですよ」
「あとは自販にある午後ティーとかで、味変しながら飲んでみたり…」
えっっ……
待って、待って、、
午後ティーって、
飲んでいいの……！？笑
下剤を飲む当日は、糖分は摂っちゃいけないと思ってた。。
今アメは手元にないし、院内のコンビニに行ってわざわざ買いに行くのもめんどくさいし。。
しかも舐めていると時間もかかりそうだから、アメは断念…
でも、、
午後ティーだったら、かなり味変できるかも…！！
早速試してみよう…
そう思い、病室から出て病棟内にある自動販売機へ向かう。
自動販売機で『午後ティー(レモンティー)』を買って病室に戻った。
午後ティーの力を借りて、、
頑張って飲む……！！
期待と不安が入り混じる中、ニフレックをまた飲み始める。
ニフレックをコップ1杯飲み終わったら、午後ティーをひとくち飲む。
これを何度も繰り返した。
すると…
完璧なる味変……！！
午後ティーがなかなかの味変を成し遂げて、飲むペースが結構上がった。
これだったら、全部飲めるかもしれない！！
おばあちゃんの絡み
すると…
ｺﾞｿｺﾞｿｺﾞｿｺﾞｿ……
同室のおばあちゃんが動き出したのがわかった。
あっ……
こっちに来る……
私のベッドの方に向かって歩いてくる、瞬時にそう思った。
そう思ったと同時に、突然カーテンがサーッと開いた。
「どう？下剤は？どうなの？ちゃんと飲んでる？」
「……あれ、まだこんなに残ってるじゃん！」
「ほらほら、、早く飲まないと…！！」
わかってる、わかってるからさ。。
もう、、
本当にやめて。。
お願いだから、来ないで……
必死になって飲んでるのに、何で来るの…
もう勘弁してよょ。。
それに何も言わずに、勝手にカーテンを開けてこないで。。
すると…
おばあちゃんは続けて、
「まだ飲めてないの？」
「ちょこちょこ飲んでるからいけないんだよ！」
「こんなの一気に飲まないとダメ！」
「私がこれ飲んだ時は、すぐ飲み終わったけどね〜」
今日はいつもに増して、すごい話しかけてくる。
飲もうと思っても、なかなか飲めないよ。。
「ほらほら、早く飲まないとダメだよ」
と、おばあちゃん。
いやいや、、
だから…
あなたがここにいるから、
なかなか飲めないの……！！
声を大にして言いたくなった。
今思うと、その時ちゃんと言えばよかった。。
って少し後悔してる…
それか、病室を変えてもらえばよかったな。。
手術が終わってHCU病棟で1泊したあと、またこの病室に戻ってくると思うと、本当に憂鬱な気持ちになった。
そして…
話し飽きたのか、やっとおばあちゃんは自分のベッドに戻っていき、、
ニフレック再開。
ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ……
苦しい。
つらい。
もう飲めない。。
諦めそうになったその時。
「櫻根さん〜」
と言いながら、看護師さんは病室に入ってきた。
まだ残っている大量のニフレックを見て、
「代わりに半分くらい飲んであげたいよ…」
「こんな量、なかなか飲めないよね…」
と看護師さんは言った。
優しい。。
そう言ってくれるだけで十分すぎる。。
もう少し頑張ろうって、そう思えるよ。
看護師さんと少し話をしたら、気分が紛れた。
再び気を取り直して、ニフレックを飲み進める。
病棟内にある自動販売機で午後ティーを買いに行くのも、10回くらい繰り返した。
ていうか、完全に飲み過ぎ。。笑
血糖値爆上がり。
そして、トイレへ何回か行くと…
やっと便が
透明に近づいてきた！！
これはいける……！！
もうここまでくれば、ゴールは近い。
ここまで本当に長かった…
あと少し、、頑張ろう。。
それからも、ニフレックと午後ティーを交互に飲み続けた。
5時間30分
必死になりながら、頑張ってニフレックを飲み続けた結果。
トイレへ行くと…
やっと、、
透明になった……！！！
歓喜。笑
この瞬間が1番嬉しい。。
そして…
チェックしてもらうためトイレにあるナースコールのボタンを押すと、看護師さんはすぐに来てくれて、
「お〜！！透明になったね…！」
「これで明日手術受けられるね〜！」
と言ってくれた。
本当、、よかった。。
下剤地獄から無事生還！！
まだ手術が終わった訳でもないのに、これで全て終わった気分になった。
内視鏡検査の時もそうだけど、下剤を全部飲んでトイレでも透明になった途端、もうそこで試合終了、みたな気分になる現象なんなんだろうね。笑
私、毎回そうなんだけど。。
まぁ、そんな話は置いておいて、、笑
今回は…
朝10時からニフレックを飲み始めて、飲み終わったのが15時30分。
約5時間30分に及ぶニフレックとの激闘に、やっと終止符が打てました。
ということで…
術前処置終了……！！
これで無事、手術を受けることができる。。
2リットルの下剤を飲むことができたのは、主治医からのアドバイスが大きかった。
午後ティーの存在がなかったら、ニフレックこんなに飲めなかったよ。。
ありがとう、、先生……！！
看護師さんも、みんな優しい人たちばかりで…
本当、感謝しかありません。。
とりあえずやることはやった。
手術は先生に任せて、あとはなるようになるよね。。
アルジネードウォーター
消灯前。
「櫻根さん〜」
と言いながら、看護師さんは病室の中に入ってきた。
「寝る前に、アルジネードウォーターを飲んでほしくて！」
と看護師さんは言って、アルジネードウォーターを1本机の上に置いた。
『アルジネードウォーター』とは？
手術後の回復を早くする。
アルギニン、亜鉛、銅などの成分が含まれていて、創傷治癒に役立つ。
見た感じ、普通の小さい紙パックのジュースみたいな、、
アルジネードウォーター。。
不味そう……
そう思ったけど、紙パックのパッケージには『スポーツドリンク風味』と書かれていた。
スポーツドリンク風味なら、、
なんかいけそうな気がする。笑
それに量は結構少なくて、裏の表記を見ると『125ml』と書かれていた。
給食で出る牛乳パックより少ないし、一気に飲めそう。。
もしもこれが不味いとしても、飲まなきゃいけないことになってるんだから、もう頑張って飲むしかない…！
背面についているストローを剥がして、紙パックにグッと差し込む。
ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ……
飲んでみると、、
まさに、ポカリの味。
2リットルの下剤『マグコロール』と一緒の味。
これなら全部飲める、楽勝。笑
すると…
同室のおばあちゃんがカーテン越しから、私に話しかけてきた。
というか、独り言なのか、、
それはわからないけど。。
「……だよね〜」
「…だったよ。……でしょ〜？」
しかも何を言っているのか、さっぱり分からない…
でも、、
もし私に話しかけてきてるのだとしたら、何も反応しないのはやっぱり申し訳ない。。
とりあえず、
「うん、、うん……」
と小さく返してみた。
おばあちゃんも私と同じく明日手術するようで、アルジネードウォーターを飲んでいる。
すると…
「これ、さっきの2リットルの下剤よりも飲みやすいでしょ？」
とおばあちゃんは言った。
これは、、私に話しかけてるってことでいいんだよね…
「そーですね……！！」
と、『笑っていいとも！』風に返答。。笑
すると…
またおばあちゃんは独り言を言い始めたので、私はそのまま静かにアルジネードウォーターを飲み続けて…
そして、数分後。
無事、完飲……！！
今日はここ最近の中で1番疲れた。。
初めてのニフレック。
しかも2リットルの下剤を病院で飲むのは初めてだったから、新鮮だったというか、いい意味で追い込まれてよかった、というか。。笑
やむを得ない状況に置かれたからこそ、ここまで頑張れたというか…
だって正直、便が透明にならずに途中で下剤飲むのを断念するっていうのを想像していたから、今の現状に自分が1番ビックリしてる。笑
ここまでいろいろあったけど、、
やっと明日は手術。
待ちに待ってはいないけど、やっと手術の日を迎えることができる。
それにしてもここまで長かった…
長すぎたよょ……
そんなことを考えていたら、いつの間にか眠っていた。
手術前日の夜、ちゃんと眠れるかな…
って、少し心配だったけど意外といつも通り寝ることができた。
不思議と手術に対する不安や恐怖は、この日は一切なかった。
ということで、今回はここまで！！
最後に…
今回は、
私の闘病日記vol.16
『ニフレックとの激闘』
をみなさんにお話しました。
いかがでしたか？
次回は、今回の続きをみなさんにお話していきたいと思っています！
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私の闘病日記vol.17
『腹腔鏡下大腸全摘術・
回腸人工肛門造設術』
ぜひ、読んでね！！
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